正反対な二人



その男が段々と近づいてくるとお互い目が合い、沈黙が流れた

「あ……!」

「……」


二人の様子に気づいた美香は不思議に思い、怜亜に聞いてみる


「どうしたの?急に黙りこんで…」
「いや、何でもない…行こっか!」怜亜は無理矢理にでも気持ちを切り替えるように美香に言った

二人がその場から離れようとした時…

「あのっ!!」

あのナンパ男は怜亜の目を真っ直ぐ見て、何かを伝えようとする
怜亜はまたナンパかと思い俯いた

だが、彼の口からは昨日とは違った軽い言葉ではなく真剣な言葉が返ってきた…


「俺!昨日、キミに言われて気がついたんだ…
もうナンパはしないっ!人の迷惑になるってことも分かった!皆やられて全員が嬉しいって思うわけじゃないんだな…
だから、昨日は悪かった…本当にごめんっ」


彼の反省している言葉に目が見開いた
彼は私に頭を下げて真剣に謝っている…
彼からは本気で反省していることが良く伝わってくる


学校登校初日、その場に居る学年全員の注目の的に私達はなった…


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