あれから家へ帰ると、私はすぐに考えた。
おばぁちゃんのことについて。
そして、おばぁちゃんのお父さんであるひぃじいちゃんについて。
おばぁちゃんいわく、ひぃじいちゃんは”ルソン島“というところで亡くなったらしい。
もちろん、戦死。
それを初めて知った時、おばぁちゃんはその心で何を思ったのだろう。
物心ついた時には、もうお父さんは隣にいなくて。
お父さんの顔が分からなくて。
声が分からなくて。
自分のお父さんに抱きしめられる…………
温もりを知らなくて。
どれだけ会いたいと願っても、一度だって会うことはできなくて。