そして私は、おばぁちゃんのその顔を見ただけで、よかったと思えたんだよ。
おばぁちゃんが、お父さんを想う気持ちを知ってもらいたかった。
おばぁちゃんが、いまだに、“戦争”のせいで苦しんでいる、ということを少しでも知ってもらいたかったんだよ。
おばぁちゃんの気持ちを、無駄にしたくなかった。
ねぇ……おばぁちゃん？
いつも迷惑をかけてばかりの私だけど、やっとひとつ、おばぁちゃんに返せたかな？
お母さんの代わりに、私を育ててくれている、おばぁちゃん。
そんなおばぁちゃんの思いに、答えられたかな？
私の思いが、伝わってるといいな。
そんな思いを胸に抱え、私は颯爽とステージを後にした。
