それはおばぁちゃんにとっても同じ。
ひぃじいちゃんは…………おばぁちゃんにとっての、たったひとりのお父さん。
てのひらの大きさや、抱きしめられたときの温もりは知らないけれど、分からないけれど。
お父さんという存在さえも、上手く想像できないけれど。
命を懸けて、日本を守ってくれたお父さんを、自分を守ってくれたお父さんを。
少なからず、おばぁちゃんは誇りに思っている。
愛している。
そして………ひぃじいちゃんの思いは……
おばぁちゃんにちゃんと伝わってる。
それを初めて感じたとき、私は戦争についてもっと深く知りたくなった。
全てを壊し、たくさんの大切なものを奪ってしまった、愚かな戦争を。
100年前は、まだこの地で何度も繰り広げられていた、地獄の戦争を。



