軽音楽部に入部する時にも父親とのバトルが絶えなかった。


「高校を卒業するまで」を条件に入部を許してくれ和解した。


しかし、太一の音楽に対する気持ちは高校3年間という短い期間では終わらない、終えれなかった。


「父さんの知り合いの会社の社長さんに掛け合ってみる。大規模な介護保険会社だ。高齢社会の今じゃ安定した職業だぞ。今からでも遅くはない。」


父親の言葉に太一が反撃した。


「なんでいつもいつも自分勝手に決めるんだよ。俺の将来だろ?俺に決めさせろよ。俺は父さんみたいに安定した仕事がしたいんじゃないんだ。厳しいけど、好きな事を仕事にしたい。」