アパート「寿荘」

「なんやねんアイツ。自分だってまだまだ下積みの方やのにえらそうに!」

修平はぶつぶつ文句を言っている。怒ったときの癖なのか髪を掻きむしっている。


「知り合いなの?」太一が尋ねると。


「そうやねん。実家も隣、住んでるアパートの部屋も隣。金魚のフンかって話やわ。」


しかし、修平はまんざらでもないなと少し笑っていた。