「それでも俺はやりたいんだ。俺の歌う歌で誰かを笑顔にしたいんだ。他にやりたい事なんて何もない!!」


父親ゆずりの頑固者で、「これだ!」と思う事は地道にコツコツと頑張ってきた。

習い事も何年も続ける事も苦じゃなかった。


高校の体験入学の時に聞いた「ゆず」の「ストーリー」を聞いて、太一は音楽に初めてワクワクした。

ハーモニカとギターの優しい音色。すごく落ち着く温かかった。

他の見学者みんなが一体となりサビの部分を合唱する。

その中にいる自分。

今まで赤の他人立った人なのに、仲の良い友人のように笑い合っている。
こんなに楽しい音楽は初めてだった。

太一は演奏していた軽音楽部に迷わず入部した。