そう言うと彼女は足早に人混みの中に消えていった。
(東京の女って怖えーな…)
太一は東京という街は恐ろしいなと思い身震いした。


「それにしても、どこだよこの「アパート寿荘」って。」

太一の新しい家「アパート寿荘」の地図を見ながら歩き続けた。


どれくらい歩いたのだろうか?
ビルの立ち並ぶ大都会、東京とは思えない風景が目の前にあった。


コンビニ一軒も無く空き地や荒れ地、その中に長屋やボロボロのアパートが数軒あるだけだった。

ボロボロのアパートの一つに「アパート寿荘」と大きく書かれた建物が今にも壊れそうにひっそりと建っていた。