そしていよいよ出発の時間となった。

東京へ向かう新幹線のホームには母親と軽音楽部のバンド仲間そして真由子の姿があった。


「じゃーん!!俺たちでお守り作ったんだ。宮川の夢が叶うようにって。お前はボケーッとしていつもどこか抜けてるから変なやつに騙されたりすんなよ。」



仲間の1人が笑って言った。

太一にしたら笑えない冗談だ。


「お前、縁起でもないこと言うなよ。」


太一は少し焦った感じで返した。