「…次は東京。東京でございます。」


新幹線に響き渡るアナウンスに19歳の青年、宮川太一は慌てて荷物をまとめ始めた。


高校を卒業し、念願だった「上京」がついに実現する日が来た。

太一は、窓の外を流れる高層ビルの立ち並ぶ街を眺め、物思いに耽っていた。