「あー、トマトとバジルとか聞いたら、ピザ食べたくなるよな。」


手をつないで、車へと歩き出す。


「そうですね、イタリアンですね。」

「夕飯、イタリアンでもいいか?」

「はい!」


元気な返事を聞いて、車に乗り込んだ。

少し遠い道のりだが、松岡の店まで走ろう。
完全なるイタリアンじゃないが、あいつのトマトソースが食いたくなった。

着くころには、きっとちょうどいい時間になってるはずだ。
付き合う事になった事は言ったが、2人で行けば絡まれるだろう。


だが、付き合う前とは違うから、堂々としていればいい。


俺は瑞希がシートベルトを締めたのを確認して、アクセルを踏んだ。