杏仁豆腐のお陰で、やっと瑞希が俺の方を向いて笑ってくれた。
手が速すぎて嫌われてないか心配だったが、大丈夫みたいだ。
・・・一応、家に呼ぶのは止めておくが。
談笑しながら食べ終わった俺達は、家路に着く。
付き合い初日にあまり遅くなっても、ご両親の心証が悪くなるだろうし。
しかも、きのこ博士、知り合いみたいになったしな。
結局、ファーストキスかどうかは聞けないまま。
とにかく、倫子の事は気にしないが、言いふらすこともしない事で合意。
俺は必要最低限の人間に報告するのみに留める事を約束。
売店のおばちゃん達には、瑞希が口止めしてから報告してくれるそうだ。
「じゃあ、また明日。」
「はい、ありがとうございました。」
すっかり暗くなった、彼女の家の前。
パタンとドアを閉めて、手を振り合う。

