瑞希さんは嬉しいような、泣きそうなような、難しい顔で俺の眼を見つめた。

何でそんな顔をするんだろう。

触れたいのに、手には軍手がはめられている。
君の笑顔が見たいがために、毒の植物を探しまわった俺の軍手は、ぼろぼろになった落ち葉がたくさんついて、お世辞にもきれいとは言えない。

きっと軍手の中の手も、なんだかんだで汚れている。
手を伸ばせば、届くのに。


「私・・・。」


眼鏡越しの瞳から、涙がこぼれおちそうなのが見えた。