必死で仕事を片付けて、なんとか定時で上がる。
混みあうロータリーを越えて、駐車場へと急いだ。

案の定、その道で、瑞希さんを見つける。
俺は声をかけようと近付いた。
メールよりも直接話した方が、絶対に良いと思うし。


「瑞希さん、お疲れ様。」

「あ、伊東さん。お疲れ様です。」


笑顔で振り返った彼女に、気まずい雰囲気は無かった。


それが逆に、俺の事なんてなんとも思ってませんよって感じで、寂しい。