俺は窓を開けて、彼女の方を向いた。


「ありがとう。じゃあ、また。月曜日・・・会社で。」
「はい。おやすみなさい。」



おやすみなさい。



微笑みと一緒に、手が振られる。


「おやすみ。」


離れがたかったが、俺はギアを入れてアクセルを踏んだ。

ルームミラーに小さくなる彼女が見える。
曲がり角はすぐだったが、ずっと手を振っていてくれた。