☆翔side☆

入学早々女の子の友達ができた。
その名前が桜帆。ふんわりとしたボブヘアでくりくりとした目。身長は僕とそんなに変わらない。最初見たときはおどおどしてておとなしそうな子にみえた。
でも、話してみれば明るくてかわいらしい子・・・
「こんな子がいるんだなぁ・・」
あらためて考えてみればあんまり見たことない子だった。
僕の周りに集まってくる子はあんまりタイプではなく、奇抜なかっこをしてくるいわばちゃらちゃらしてくる子ばかりであった。みんなからはシャニーズみたいなイケメンなんて呼ばれていたけれど、全然そういう風に自分は思っていない。
それに、自分のことを「僕」って呼んでいるから女の子からがギャップがいいだのいろいろ言われ続けてきた。正直そういうのは苦手。キャーキャー騒がれるのも嫌。だから、今日の入学式も教室も遅刻したと嘘ついて屋上で1人でいた。
そしたら、桜帆がやってきて一緒に話していたってわけ。
桜帆と話していて、一瞬昔の記憶がよみがえってきた。
幼稚園のとき大好きだった子に似ていたこと・・・
見た目もしゃべり方も・・・・
確か、そのこは年長のとき引っ越しちゃった気がした・・・
でも、大してそんなにみんな昔の記憶が今でも残っているわけでもないから本当にそうなのかがわからない。
いや、そうであってほしい。
その子が引っ越していってしまう前に約束したんだ・・・
―また、会おうね。― とゆびきりをして。
桜帆とゆびきりをしてなんだか桜帆の顔がちょっと驚いてた。
もし、桜帆があの子であったらきっと覚えているだろう・・・
ほんのちょっとの可能性を僕はこのゆびきりに乗せたのであった。

   ~♪~~♪
「ん?っあー・・・あいつか。」
『ねぇ、まだ?もぅ、ついてるんだけど・・』

僕は、携帯を閉じてある場所へと向かった。