♪桜帆side♪

中学校へ入学し、教室で1人ぽつんと席に座っていた。
私の名前は雪美桜帆(ゆきみさほ)。
ごく普通の女の子。前の小学校からこの中学に入学したのは私だけ。
他の友達は、別の中学へ入っていった・・・・。だから私だけこのクラスの中で一番ういている気がする・・・。

教室が騒がしいから、気分転換にでもと思い屋上へ行った。
  ―ガチャッ―
「ふぅー気持ちいいな。」
屋上はぽかぽかしてて、気持ちよかった。誰もいないだろうと思ってたら、人影があった。・・・・男の子・・・・?
すごく顔がきれいで、まるで女の子のようにまつげが長くて・・・・
美少年ってかんじ・・・。空を・・見上げてるのかな?

「君はだれ?」
男の子は私の気配に気づいたのか、突然私に話しかけてきてびっくりしちゃった。
「えっえ・・・えーと・・・。私は・・1年B組の雪美桜帆です・・・!」
っあー!もう!私ったらパニクリすぎ。
男の子は笑いをこらえながら、私に近づいてきた。
「あはははは。いいよ。そんなに緊張しなくても。」
思わず私は赤面。恥ずかしすぎる!
「はぁ・・・。」
「僕と一緒だね。1年B組田平翔(たひらしょう)。よろしくね」
「う・・うん。同クラなんだ・・。よろしくね。」
年上の人かと思ったけど、まさか同じクラスのひとだなんて・・・。
そういえば、私の隣の席の人田平だかなんだかっていってたような・・・
「今日はいい天気だね!」
「っう・・うん。でも、なんで田平君は教室にいなかったの?」
「入学式さぼちゃった。あと、翔でいいよ!」
どうりでいなかったわけね・・・。
「ふーん・・そうなんだぁ。でも、なんで?」
「めんどくさいから?ってのは嘘。遅刻しちゃって・・。それに僕、うるさいの苦手なんだよね。」
「へぇー・・そうなんだぁ・・・。」
あたしとなんかにてる・・・。
友達とかいないのかな?
私とにてるなっと思って聞いてみることにした。
「友達とかいないの?」
「いるよ。おおよそ・・・20人ぐらいかな・・?」
ええ!いるんんだ・・・
自分と同じだと思っていた私が馬鹿だった!!
急に自分が恥ずかしくなってきた。
今の私ぜったい顔あかいよね?
「顔あかいよ?大丈夫?」
ほら。でも、いたんだ・・いいな・・・。
「そんなにいたんだ・・全員小学校から?」
「ん・・・・まぁ、そんなところかな?桜帆は?」
「私はいないよ。私が行っていた学校がからこの中学に入ったのは私だけだから。私の家から一番ここが近いんだ。」
学区がちょっと違ったからここの中学にはいったわけで、一番ちかいわけじゃないんだよねー・・・
だから、友達のいる翔くんが少し羨ましかった。近所に仲のいい友達がいてもほんのちょっと学区が違うだけで中学が違うなんて。
正直中学校にはいるのが不安だったんだよね。でも、高校いけばまた合えるかもしれないと思ってがんばって入ったの・・・
なんて、色々考えてたら急に翔くんが私に話しかけてきた。
「そうなんだね・・それじゃ、桜帆にとって1番最初の友達は僕ってことだね。携帯もってる?メアド交換しようよ!」
私は思わず「っえ!」っていちゃった。
でも、実はすごくうれしかったんだよね・・
「いいよ・・。」
初めて家族以外の人とメアドが交換できてすごくうれしくて私は感動してた。
だって、家族だけじゃ寂しいんだもん。
「何かあったら、メールか電話してね?」
「う・・うん。わかったよ・・」
翔くんはそういってなぜか小指を差し出してきた。
「え・・・?」
「はい。ゆびきり。約束だよ?」
「なんか、小さい子みたい・・」
私が笑ってそういったら、翔くんも笑顔だった。
そんな彼の笑顔に思わずきゅんとしちゃった。
でも、こういうのは恋人同士がすることじゃないの?って・・・
でも、不思議とわるくないって私は思えた。
「そろそろ僕帰るね。桜帆も気をつけてね。」
「うん。ありがとう・・・」
バイバイしたあと、翔くんは駆け足で階段を下りていった。
翔くんがいあなくなったこの場所がちょっぴり寂しく感じる・・・
どうして、あんなに素敵な人だったんだろう・・
私といてつまらなくなかったのかな?
男の子ってあんなにやさしかったっけ??
昔から男の子とうまく話せなかった私には不思議なくらい今日は男の子と話したし・・・
そして、初めてできた友達ー・・・
―「桜帆にとって1番最初の友達はぼくってことだね。」―
あのときの言葉が頭から離れない・・・
どうしてだろう・・胸の鼓動が激しくてたまらない・・
「早く明日にならないかな・・・?」