君と出会ったのは高校の入学式だった。
「僕の名前は結城翔(ゆうき しょう)です。これからよろしくお願いします。」
そんな人の挨拶を聞いている余裕のなかった私。次はわたしだ。
「次の方お願いします。」
『ぁ…はぃ!』
『わ…わたしの名前は羽柴美琴(はしば みこと)ですっ…ょ、よろしくお願いしますっ。』
―やっぱ緊張しちゃってうまくしゃべれないや…。
キーンコーンカーンコーン
『あ、チャイム鳴った!』
「明日は学級委員決めるぞー」
私はチャイムが鳴ると真っ先にとなりの2組に足を運んだ。
ちなみに私は1組だ。
