あまり並んでいたこともなく、

少し待つとすぐに乗ることができた。




と、乗ったのはいいんだが

沙莉奈は座って膝に手を置いたまま

全く動こうとしない。





まさか…

「沙莉奈、怖い…のか?」





「…え、そっそんなことないよ!」





「じゃ、これは?」

と、意地悪っぽく少し揺らしてみた。




「きゃー! ごめんなさい!

やっぱり、こ…怖いです……。」



と、少し震えていた。


あ、やり過ぎたかな。

「わりぃ。俺もやり過ぎたかも。」




と、沙莉奈の隣に座った。

そして、そっと抱きしめた。





「いっ…壱成くん…… もう大丈夫。

ありがとう……」




抱きしめていたのを、ゆっくり離すと

真っ赤になっている沙莉奈の顔が見えた。





こんなことで照れるなんて、

かわいいな……