「あーもう!気持ち悪い!離してよ!」
「あぁ!?ちょーし乗ってんじゃねーぞ!」
そういって男は制服を無理やり引き裂いた。
地味な下着も白くて気持ち悪い肌も露になる。
こーいうときにいつもかっこいい人が現れるんだっけ。ま、所詮マンガの世界だけだよね。
さてどうしようかと考えていると
ドカッ!!
「えっ・・?」
何?
目の前に立つ男の人は綺麗な顔立ちをしていて、すっと通った鼻と切れ長でなんでも見透かしそうな目が印象的だった。
「なっ何だお前!?」
そりゃビビるよね・・だっていきなり現れたんだし・・、
「何やってんの?おっさん」
笑いながらいってるけどこの人なんか怖い・・。
「くっくそ!」
そういって襲い掛かろうとするが、男の人はそれを避けると相手にむかって蹴りをかました。
「大丈夫?」
ニコニコしながら手を差し伸べてくれて初めて自分が座り込んでる事に気づいた。
しかも制服破れてるし・・。
「大丈夫です」
そういって立ち去ろうとすると、ふいに手を掴まれた。驚いて見上げると
「下着。そのままじゃ帰れないでしょ」
そういって自分の着ていたパーカーを着せてくれた。
「・・・どうも」
マンガかよ・・。
「送っていく」
そういわれた私はなぜか分からないけど素直に従った。
「君ってさ・・」
しばらく無言で歩いているとふいに男が話し始めた。
「変わってるよね」
「は?」
何言ってんの?いきなり・・
「下着みられても動じないし、男から囲まれてもどおでもいい感じ?」
「・・・別に」
平気なわけじゃないけど。
そういうと男は「ふーん」と言った。
「ここです。」
「おう!じゃあな」
「・・どうも」
なんだったんだろう、あの人。
ま、いいか。どうせもう会う事もないだろうし・・・。
