しばらくそのまま動かなかった弥織くんだったけど、
何かを思い出したかのように、急に顔をあげた。
「あ…のさ。」
「……?」
「クリスマス…予定ある?」
弥織くんはあたしの目を見ながら、そう聞いてきた。
「あたしは…予定ないけど……」
「じゃあ…一緒に過ごさない?」
弥織くんの顔が、みるみる赤くなっていく。
弥織くんも、自分で気付いているのか、手の甲で口元を隠した。
………でも確か…
「弥織くん、相馬くんたちとカラオケ行かないの?」
さすがに、約束は大事にしてほしいし。
やっぱり先約が優先だよ…。



