「あ…あの…っ」



やっと、勇気を振り絞って出したあたしの声は、とても震えてしまって、



弥織くんは、黙ってあたしを見た。



「は、話……、あたしも、あるの…」



「え……」



恥ずかしくて、また前髪をおろして顔を隠そうとする。



だけどそうすると、さっきよりも、口に出すことが怖くなって、



それじゃあダメだと思ったあたしは、顔にかかっていた前髪を分けた。