でも… 言えるの? あたし…言えるの? 「………」 あたしに背を向けて、降る雪を見ながらハァーッと息をはく弥織くん。 マフラーの間から漏れた白い息が、宙に消えていく。 あたしは、そんな弥織くんを今、こんなに近くで見ているのに… 言いたいって…思うのに。 言葉にしようとすると、唇が震える。 何度も、言おう言おうと思って開くあたしの口からも、白い息が漏れる。 その度に、言えなくなってしまう…。