そうして着いたのは、



今日は使われてなかった南館へと続く渡り廊下。



冷たい風が吹き抜けて、とても寒い。



「……寒いな」



ここに来るまで、ずっと黙っていた弥織くんがそう言った。



「うん。
雪降ってるしね。」



「そうだな」



「………」



「………」



それで会話が終わってしまう。



ちょっとの沈黙の後、



また口を開いたのは、弥織くんで、



「雪…綺麗だな。」



言ったのは、そんなことだった。