:::::白百合家:::::




「おっはよ~、架音!」

「姉さん・・・?何、そのムダにテンション高いの?」

「ふふふ、なんでも」


私は昨日、桃也君をフッた。

それは、ちょっと自分でも複雑な気持ちに

なったけど・・・


でも、


桃也君に呼び捨てで呼んでもらえた。

友達として、少し距離が近づいたような気がした。

・・・それが、嬉しいの。


「それはいいけど、朝からニヤケないでくれる?」

「ご、ごめん。」


架音は私と対照的に不機嫌そう。


「架音、何かあったの?」

「・・・最近、姉さんと同じ学年の
 
 女の先輩が、すごくうっとうしいんだけど。」


すぐにあの人の顔が思い浮かんだ。

背が高くて、美人で・・・、
ちょっとアレな人。


「え、でも。ほらぁ、その人、
 
 すっごく綺麗で面白い人なんじゃない?」

「僕にはただの年下好きにしか見えないけどね」


とか言いながら、架音はうつむいている。

そっと覗くと、顔が少し赤くなっている・・・



架音も、恋してるんだな・・・。