:::::百香:::::




あの人の顔が、思い浮かんで・・・。


私は、桃也君を見つめ返して




「ごめんね、桃也君。私、 

 どうしても気になる人がいるの。
 
 だから・・・」


・・・本当にごめんなさい、桃也君。

私のこと、思いっきり悪く言っていいから

1回くらい、ぶってもいいから・・・。



桃也君の目に涙が溜まって、

そして、それを無理に押し込んで・・・




「うん・・・、そうか。うん!」

「ご、ごめんね!桃也君・・・!!」




すると、桃也君はわたしの頬をそっと撫でて



「ま、大体、一目惚れや言うてOKしてくれる人
 
 中々おらんしなー。

 白百合さんの大切にしたい人は、
 
 白百合さんで決めればいいし。
 
 俺、白百合さん応援するで!菜々よりもな!!」



無理に笑って、私を励ましてくれた・・・。



「あの・・・送ってくれて、ありがとう」


「ううん!俺が一緒に帰りたい言うたし。
 
 俺もそろそろ帰らなあかんな~。

 白百合さん・・・百香!また明日な!!」


私は桃也君と別れて、数分後
 
家に着いた。