「バカはどっちや・・・」


桃也君が珍しく

呆れた顔をしている


「白百合さん、ゴメンな
 さ、帰ろか~」

「帰るって言ったって・・・
 桃也君は家の方向どっち?」

「ん?向こうやけど」


桃也君は私の家(マンションだけど)と

反対方向を指差した。


「思いっきり、方向逆なんだけど・・・」

「そうなん?じゃあ、俺は
 白百合さん家の方から帰るわ」


え・・・、無理じゃない?


「まあ、白百合さん送った後は
 なんとかして帰るわ」


この人、菜々が言ってた通り

馬鹿なのかもしれない・・・


「桃也君、それは悪いよ
 しかも私の家まで来てたら
 帰るの遅くなっちゃうよ?」

「・・・ダメなん?」

「えっ?」





「別に、白百合さんのためなら
 俺、なんでもするよ?」




・・・なんでだろう、急に

胸の鼓動がどんどん速く大きく

なっていって・・・