:::::放課後の教室:::::




「し~らゆ~りさ~ん!!」

「あ、桃也君・・・」



桃也君がにこにこ笑いながら

こっちに向かって走ってくる


「一緒に帰ろーっ!」

「うん・・・」


・・・はぁ。

私、まだ桃也君に慣れてない


休み時間中一緒に居たけど

桃也君が喋って、私が相槌打つだけで


「桃也!!」


菜々がこちらに向かいながら
 
叫んできた。




「百香困ってるやん。
 アンタは人の気持ちもわからんの?」

「菜々・・・それはお前のことやろ?」

「・・・っ、う・・・ウチも
 百香、ほったらかしやったけど・・・」




「もうエエわ、菜々。
 1人の友達も大事にできやんヤツに
 説教されたくないわ。」




菜々の白い顔が
どんどん赤くなっていって

・・・目から大量の涙が
こぼれ落ちた。


「・・・桃也のバカっっっ!!」


そう言い捨てると、

菜々は走って、

教室を出て行った・・・