架音に引きずられるようにして、
私はISE高に来た。

・・・歩いて行くの、
結構大変だなあ・・・。

家を出たのは7:30。
現在の時刻は8:00になる

昇降口に行くと、
2人の女の子がいた。

1人は背が高くて、
モデルさんのような顔の子。

もう1人は・・・菜々ちゃんだ。

「あっ、百香やん!おはよー」

菜々ちゃんは気づいてくれたみたい

「おはよー、菜々ちゃん。
 そっちの子は?」
「如月 優香、17歳。
 クラスはD組の、可愛い子が
 大好きな女の子よ♡」

優香ちゃんと思われる子が
そう言って、ニコッと私に笑いかけた。

・・・いい人の友達は、
いい人なんだなぁ・・・。

「ただの変態やから、この人。
 百香、関わらんほうがええで」

少々呆れ顔で、菜々ちゃんが
優香ちゃんを見る。

でも優香ちゃんは、さっきと変わらず
微笑んだままだ。 

「あたしのどこが変態なのよぉ、菜々?」
「全部」

すると、優香ちゃんは唇をつきだして、

「ひどくなぁ~い?それ。
 私、ただ年下が大好きで、
 女の子も大好きなだけよ~?」

・・・それは変態じゃないのかな

「・・・ということで、これからヨロシクね♡
 百香ちゃんっ♪仲良くしましょ~」

「は・・・はぁ。」

悪い人ではなさそうだけど

「百香、だまされたらアカンで。」
「やだなぁ、菜々。そんなこと言ったら、
 せっかくの獲物が逃げちゃうじゃない」

優香ちゃんの目が、妖しく光る。
・・・吸い込まれそう

「百香ーっ!ふせろーーーーっ!!」
「へっ?!」

間一髪、これから起きるかもしれなかった
災難をふせぐことができた。

「菜々ー・・・、覚えてなさいよ!!」

優香ちゃんは捨て台詞をいって、どこかに行ってしまった。