:::::百香:::::




昨日の夜は、
全く眠れなかった。

「ももかちゃん
 なんか、すごく早起きだね☆」
「お父さん・・・」

こんなふざけた喋り方をする
お父さんでも、すがりたくなる。

「・・・今日、学校休んでも
 いいかな・・・?」
「えっ・・・?!」

お父さんは、絶句した。

「ご、ごめんね。お父さん」
「・・・また悪口言われてるの?」

お父さんは、いつになく
真剣な顔をしている。

「そーだねぇ、今日1日だけ
 許してあげる」
「・・・ありがとう」

やばい・・・どうしよう
目に涙がたまってきた・・・

「泣かないでよー、ももかちゃん☆」

お父さんはそう言って
電話のもとへ、駆けていった。

・・・本当に、ごめんなさい

「学校には風邪だって言っておいたから、
 安心して家でゆっくりしててね。
 あ、今日パパ、出張なんだ!!
 もう行かなきゃ☆行ってきます」

そう言って、お父さんは
慌てて家を出て行った。

「・・・姉さんは、逃げるんだね」

後ろの方から、声がした。
・・・架音だ。

「あはは、自分でも
 よく分かんなくって・・・」
「さあ、行くよ。」

・・・えっ?

「はやく制服に着替えなよ。
 いつまでパジャマでいるつもり?」

・・・な、何が?

「止まってるだけじゃ、
 何も始まらない。
 わかったら、さっさと支度する!!」

うえーんっ!架音のバカーっ!!