「うわー、白百合さん暗~い」

「あははっ、あの子いつも一人で、本読んでるよね。
 ウチらのグループ誘ってみる?」

「ちょっと~、やめてよー。それ本気?」

「んな訳ないじゃん!あんな暗い子、同じ教室にいるだけで
 嫌だしー。」




・・・もう、嫌だ。
私は白百合 百香(しらゆりももか)。
浮いている子って、どのクラスでも1人はいるよね?
・・・、それが私なの。もう、こんなところ嫌。


転校したいな・・・・・・




「も~も~かちゃんっっ!!」



家に帰ると、お父さんがウザイくらいのテンションで
私に駆け寄ってきた。弟の架音は、ソファーから、呆れた顔でこっちを見ている。


「百香ちゃん、ゴメンネー。
 パパ、またお仕事、転勤になっちゃった☆
 ママはこっちに残るらしいけど、ももかちゃんとかのんくんは
 どうするー?」

「姉さんが行くんだったら、僕も行くけど?」

「んじゃー、2人とも来るんだねー☆」


おいおい、私何も言ってないんだけど・・・。


「まあ、2人とも行っちゃうの?
 ママ、寂しくなるけど行ってらっしゃーい」


お母さんまで!!

・・・まあ、転校はしたかったけど、
いつここを離れるんだろ・・・。


「出発は明日の朝だから、2人とも早く荷づくりしてねー☆
 パパはもうおわっちゃったよ?」

「うん、分かった。」・・・って言おうとしたけど、
え、明日の朝に出発って・・・


「もっと先に言いなさいよ、お父さんっっ!!」

「ももかちゃん。お父さんのことは、パパと呼びなさい。
 パパ悲しくて、泣いちゃうぞ☆」


この人には敵わない・・・。
明日から、どうなっちゃうんだろ・・・私。