いつもロッカーには寄らないので、鞄は教科書でずしりと重い。 ごとり、という鈍い音がして、河合は肩をすくめた。 「大学生様、か……」 その皮肉に、剣太は河合を睨んだ。 しかし、その話をしてもキリが無いとは分かっていたので、 「焦りすぎなんじゃないのか。まだ三日だぞ」 「もう、と言え。 お前にとっては時間は無制限なんだろうがな、 普通の人間にとって時間というものは貴重なんだよ。 おっと失礼」