姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②




(あり得ない。……俺は、何を考えている)


 
剣太は、自嘲しながら階段を上った。
 


自分を拾った『組織』に、買い与えられたマンション。


狭くも広くもない、何も無いただの『空間』。



愛着があるわけではないが、かといって他に行く場所も無いので、



剣太はいつも真っ直ぐにその家に帰っていた。