でも、俺はそれ以上何も言わずに、姉さんを見送った。 俺は、ちょっと焼きすぎたトーストの最後の一欠片を、 姉さんが注いでくれた牛乳で流して、 食器を片付けた。 そんな時エリアルが、のそのそと起きて来た。 「あれ……小夜子は?」 「姉さんなら、もう大学行った」 「そっか……」 エリアルの髪には、くしゃっとした寝癖がついていた。 しかも、パジャマがあるくせにシャツのまま眠ってしまったらしく、 服が皺くちゃだった。だらしない。