だから、その分俺はちょっと大人になったような気がする。 ……ほんの、ちょっとだけ。 俺は、どこかぼーっとしている姉さんを見ないように目線をずらしながら、 トーストを齧った。 「孝、今日テストだっけ。……帰りは早いの?」 姉さんが、コップに牛乳を注ぎながら訊いてきた。 「うん。午前中で終わり……」 「そう、じゃあ洗濯物頼むわね」