姉さんが朝から真っ白な顔をしていて、歩く姿が少しふらついている時は、 前の晩にエリアルが姉さんの血を吸ったのだという事を、俺は知っている。 姉さんは隠しているようだったが、普段との差は歴然だった。 ただ、俺はそれについては、何も触れない事にしている。 俺が何を言っても、きっと姉さんはエリアルに血を提供するのを、絶対に止めない。 それに、俺が反対すれば反対するほど、姉さんを傷付ける事になる。 そう、何となく悟っていた。