「駄目よ。私、寝ぼけてカーテン開けちゃいそうだもの。 そしたらエリアル、灰になっちゃうわよ」 「そうだったね」 二人は顔を見合せて笑い、 「それじゃ……」 「おやすみ」 小夜子は、エリアルを残して部屋を出て行った。 これは全部全部、孝の知らない事だ。 だが、本当は知っていて、無視しようとしている事実だった。