でも、エリアルは小夜子が思っていたよりもずっと早く、牙を抜いた。 「あれ……もういいの?」 いつもよりも、意識がはっきりしている。 つまり、それだけ吸われた量も少ないという事だ。 「うん、今日はこのくらいで止めておくよ。小夜子も、明日があるしね」 「そう……じゃあ、もう部屋に戻るね」 「ここで寝れば?」 エリアルは悪戯っぽく微笑んだ。