途端に、ひそひそ声が聞こえて来た。 「何だろうね、あの怪我……」 「……えー、腕に包帯とか何か病んでそう… …っていうか、普通ガーゼで隠さない?」 それは、意地悪や悪口の類ではなく、好奇心とか率直な思い付きのようだった。 しかし、そういう『ひそひそ声』は一番嫌いだった。 悪意が無いからこそ――言っている本人達に自覚が無いからこそ、 聞こえてしまえば余計に傷付く。