……というセンチメンタルな考えは、

帰宅と同時に吹っ飛んだ。

「俺、聖職者にでもなろうかな……」
 
そんでもって、十字架掲げてこの色ボケ吸血鬼を追い払ってやるんだ……。
 
エリアルが、姉さんの手を握って、

「慰めてあげるよ」だの何だのと、姉さんを口説いていた。

姉さんは、慌てるやら苦笑するやら照れるやら、大忙しだ。

「てめー、姉さんから離れろ!」

「ああ、お帰り孝」