豊丸は、にやにやもじもじしながら言った。 まだ熱いふかふかのお菓子は、 うっとりするほど美味しかった。 以前、妹が母とバレンタインに作っていたようなものとは、 えらい違いだった。 一体どのようにしたら、こんなふうになるのか。 豊丸は、次第にお菓子作りに興味を持ち、 時々厨房を覗き込むようになった。