姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②




もし自分に魂なんてものがあったら……


きっと次は全うに生きるよ……。


剣太は静かに目を閉じた。

そして、建物が崩れ落ちる音を聞きながら、

最後に何かを掴もうとして、宙に手を伸ばした。

残っている方の手だ。

何故か、その腕の感覚はまだあった。

誰かが、その手を握り返したような気がしたが、

そのまま剣太は剥がれ落ちてきた天井を避けることなく、



深い眠りについた。