姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②




今にも焼け落ちそうな天井を仰ぎ見ると、不意に視界が滲んだ。

それは、血ではなく涙で。

最後に見た博士の顔が、鮮明に蘇った。

疲れ果て、影を落としたような顔。

だが、その瞳だけは優しく自分を映していた。

(会いたいよ……フランケンシュタイン博士……


いいや、『お父さん』……)



赦されなくても、そう呼びたかった。

だけど、ただのクリーチャーである自分が「子供」を名乗ったら、

憎むべき仇である一代目は、

自分にとって「兄」だという事になる。