「ちょっと借りるよ!」 「わっ……馬鹿あああっ!」 なんとエリアルは、そのまま宙に浮かび、 自転車を漕ぎながら空を飛んで帰って行ってしまった。 背景は夕日ではなく夜の月だったが、名作映画の再現みたいになった。 「あいつ……人に見られたらどう説明つける気だよ……」 言い終わってしばらくしてから、 しんと静まり返った建物の中で、一人寂しく俺は呟いた。 「……帰ろう」