「……あ」 石はまだ、くっついたままだ。 「取れないんだよ、これ……もう切るしかない」 俺は小さい頃、姉さんの髪に飴をくっつけてしまったのを思い出した。 棒付きキャンディを見る度に、今でも蘇ってくる。 結局あの時、姉さんは伸ばしていた髪をばっさり切ることになり、 姉さんはそんなに気にしていない様子だったが、 俺は加害者でありながらも物凄くショックを受けた。 「……と、いうわけで、 僕はちょっと怒ってるんだよねー……」