「怪我は大したことないんだけどさー、 さっき血をあんな風に固めて使っちゃっただろ? だから体力的にはそっちの方がきついんだよね」 「器用なマネするからだ……って、それ俺のジャージなのに!」 「洗って縫って使えばいいじゃないか」 「だから明日使うんだってば! さっきから偉そうにてっめええ!」 「……君、何か一つ忘れてないかい?」 「はあ?何が……」 エリアルはそう言うと、 上に掻き上げていた前髪をするりと前に下ろした。