姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②




彼は、物凄いスピードで夜の街の屋根をかっ飛んで行った。

ブレードの付いた脚で、建物を蹴りながら移動しているようだった。

……目撃者がいたら大変だな。

「……さてと、帰るか」
 
エリアルは、すっかり元の様子に戻って、言った。

「お前、怪我は?」

「ん、腕の事?もう乾いたよ」
 
エリアルはそう言うと、破けた袖から傷口を見せた。

切られたラインに赤いかさぶたが付いていた。