彼は、物凄いスピードで夜の街の屋根をかっ飛んで行った。 ブレードの付いた脚で、建物を蹴りながら移動しているようだった。 ……目撃者がいたら大変だな。 「……さてと、帰るか」 エリアルは、すっかり元の様子に戻って、言った。 「お前、怪我は?」 「ん、腕の事?もう乾いたよ」 エリアルはそう言うと、破けた袖から傷口を見せた。 切られたラインに赤いかさぶたが付いていた。