そんな俺の不安を余所に、彼は一生懸命キーを打ち続けた。 何度も打ち間違えに苛立っているようで、 その扱いの酷さに、今にペキンと携帯電話が壊れるんじゃないかと思った。 しかし見かねて、俺が代わりに打とうか、と申し出たが断られた。 大切な内容らしい。 「あはは……君だって、 自分が書いたものを他人に知られたくなんかないいだろう? 当たり前だよ」 エリアルはエリアルで、けらけら笑っていた。