しかし正直な話、刃物が横から飛び出している腕で撫でられても、怖いだけだった。 何かの拍子に耳を削がれそうな気がする。 そして、 「泣くな……小夜子」 (……違ぇ――っ!) 俺の涙は一秒で退いた。 (っていうか、何で姉さんの名前を知って……ああ、そうだ。 この人は、姉さんのクラスメイトだったんだっけ……忘れてた)