姉さんの友達はフランケンシュタイン 孝の苦労事件簿②




それは、白衣を着た連中にも分かっているようだった。

機械の動く振動に混ざって、奴等の会話は耳に入ってきた。

『……あの検体は……見込みが無く……』

『……目覚める事は……』
 

胎児は、腹の中で母親の声を聞いているのだと、博士が昔言っていた。
 
だとしたらそれは、こんなようなものなのだろうか。
 
ただし自分に聞かされるのは、子守唄などではなかった。